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韓国の電力事情では、停電が起きて当たり前



韓国全域で停電が発生

韓国が地域別の循環停電(輪番停電)という事態になりました。ちょうど発電所の点検に入って電力の供給力が落ちたところに、運悪く残暑がきて電力需要が伸びた、ということが直接的な理由のようです。
韓国で大停電 残暑厳しく電力需要急増  ;日本経済新聞
火力発電8基故障…原発補う連続運転で : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

韓国は今回だけではなく、昨シーズンの冬にも電力不足に陥っていました。寒波で電力需要が伸びたという面はあったようですが、なにか大きな自然災害が起きたというわけではありません。韓国が慢性的な電力不足状態にあったことがわかります。
韓国、室温20度以下に制限へ 強い寒波で電力不足 - 47NEWS(よんななニュース)


停電が起きて当然 韓国の電力事情

停電の直接のきっかけは、残暑だとか寒波だとされています。しかし電力不足の根本的な原因は、韓国の電力事情そのものにあります。

韓国では石油・石炭・天然ガスなどをほぼすべてが輸入で、資源価格の高騰で発電コストが上昇していました。ところが韓国政府は安い電力価格をウリに企業の誘致をしていたため、十分な電気料金の値上げを認めなかったようです。そのため韓国電力公社は〝原価割れ〟の状態だったそうで、電気を売れば売るほど赤字が増える状態でした。
【社説】電力不足、原価より安い電気料金が問題 | 朝鮮日報

たとえば、再生可能エネルギーの全量買取制度(FIT制度)は、電気を高く買い取ることで利益が出るようにする。そうして、発電設備への投資を促すことを目的としていました。では逆に、利益が出るどころか赤字で電気を売らなければならない韓国電力がどうなるか。赤字を小さくするには〝できるだけ発電しない〟ことしかありません。コスト削減のため余分な発電施設はできるだけ持たないことです。電力の安定供給に対する負のインセンティブが働いていました。


安いから電気をどんどん使う

また電気を使う側でも、電気料金が安すぎるためにムダ遣いが多くなる、という面もあったようです。韓国の一人あたりの消費電力は、世界で3番目の多さになっています。韓国くらいの経済規模で、いったいどんな電気の使い方をすれば、こんなに大量に電気を使えるのか不思議なほどです。
主要国の電力事情 - 電気事業連合会【でんきの情報広場】

しかし、安いものをどんどん使うというのは、消費者としてはある意味で当然の選択です。たとえ安さの秘密が電気料金を押さえ込んでいることで、そのツケが電力公社の負債として積み上げられているとしても、一般の消費者は無関心です。

そういうわけで、韓国の電力不足や停電は当然の結果でありました。韓国政府が電気料金を値上げしないかぎり、これからも電力の供給不足・過剰消費の状況に変化はないでしょう。


安い電気代のツケはきっちり払わされる

今回は突然の停電という形で、不当に安い電力を使っていた「ツケ」を韓国の国民は払わされました。いずれは電気代を値上げするなり、季節や時間帯ごとに電力価格に差をつけるなどして、電力消費を抑える工夫が必要でしょう。火力発電よりも安い電源を探しだせれば別ですが。

あるいは、赤字分を韓国政府が穴埋めする、という手もあるのかもしれません。韓国の電力公社は過半数の株を政府が握っていて、実質的には国営企業であるため、スペインの太陽光バブルの例と同じように、電力会社にたまった負債は最終的には政府負担であり、国民の負担となります。

電気料金を直接負担するか税金で負担するかの違いだけですが、安い電気代のツケはきっちりと請求されます。

どちらかというと電気料金の値上げの方がいいようには思います。受益と負担が明確になりますし、電気代が高ければ少しは節電意識も働くでしょうし。


中国でもカリフォルニアでも電力不足

こういった事情は韓国に限った話ではなく、たとえば中国でも同じような状況にあります。石炭価格の高騰にも関わらず、中国政府が電気料金の値上げを認めなかった。そのため、今年の中国は深刻な電力不足に陥っていました
「韓国や中国から電力を輸入」 小沢鋭仁氏の斬新すぎる発想

さらに有名なところでは、かつてアメリカのカリフォルニア州電力危機などがありました。2000年ごろですが、当時は電力自由化の真っただ中で、発電会社と小売会社に分割されたばかりでした。
シリコンバレイで広域停電、生命線を切られて四苦八苦のハイテク企業 | マイコミジャーナル

カリフォルニアでは州政府が電力の小売価格を固定していたようです。その一方で、資源価格の高騰や猛暑による電力需要の急増で、電力の卸価格は上昇していました。
(エンロンのように、卸価格を吊り上げるために売り渋った悪質な例も)

つまり電力小売会社は、発電会社から高い卸価格で買った電力を、安く固定された小売料金で販売しなければならなかったわけです。そうして赤字が重なり、大手電力会社が破綻する事態にまで至ります。

その結果として、電力会社に代わって州政府が電力を買い取る、ということになりました。卸からの仕入れ価格と小売価格の差額については、税金が投入されたことになります。その後、カリフォルニア州では制度の見直しが行われたということです。
カリフォルニア電力危機 - Wikipedia


テキサス州の電力不足と市場原理

アメリカテキサス州では、今年はじめの2月に輪番停電という事態に。さらに夏場の8月にも、大口需要家への停電がありました。
厳寒のテキサスで夜間に輪番停電が発生:インフラ投資ジャーナル

テキサスでは隣の州と送電網がつながっていないので、融通できなかったとされています。融通してもらうためには、送電網の建設コスト+維持コストが必要になります。その上に、他州から電力を買う費用(発電コスト)も必要です。

足りない時だけ売ってもらえば効率的ではありますが、必ず売ってもらえる保証があるか、という問題もあります。エンロンほど悪質な例はないとしても、隣の州にいつも電力の余裕があるとは限らない。

自分の州に発電所を建設してまかなう場合常に発電設備を使えるように整備しておく必要はありますが、売ってもらえない、というような心配はありません。

とはいえ、ピーク時にしか使わないものを維持し続けるとなると、コスト的には高くなります。普段は使わない余剰設備を抱えておくことは、企業の経営上は大きなデメリットでもあります。


テキサスでは電力卸市場が自由化されているがために、州政府が発電所の増設を命じることもできないようです。そうなると市場原理に任せるしかないが、それで解決される可能性も低い。

たとえば電力需要が増えて電気代が高くなれば利益を得やすいので、発電設備を増やそうとする電力会社が出てくるかもしれません。しかし、電力が不足するのはピーク時の短期間だけ、ということだと話は別。その短い期間だけ発電して高価格で売ったとしても、発電施設の元が取れないでしょう。

たとえ停電の可能性があるとしても、割に合わない発電設備は増やさない。自由化された電力会社の経営だけを考えるのであれば、それが正しい。余分な設備を抱えた会社はコスト高になり、他の会社との競争に負けてしまいます。ごく短期間であれば、停電にするか、節電してもらった方が安上がりなので。

テキサスの例からも電力というインフラ事業の制度設計の難しさが見えてきます。無くても困らない普通のモノやサービスとは少し違って、電気は生活や産業に不可欠なものとういう面もあるからです。

競争が激化するとコスト削減の動きが強くなり、発電設備や送電網への投資家がおろそかなる事例も多くあります。安定供給を維持しながら、尚且つ競争原理の導入で効率化を進める。二兎を追いかけるのは簡単なことではありません。
自然エネルギーの電力買い取り 効率最優先の価格設定を




韓国で大停電 残暑厳しく電力需要急増 ;日本経済新聞

2011/9/15 21:10

 【ソウル=島谷英明】韓国で15日午後、厳しい残暑で電力需要が予想以上に膨らみ、全国的に大規模な停電が起きた。韓国電力公社は予備電力が安定供給に必要な400万キロワットを下回ったため、地域別の循環停電に踏み切った。停電は予告なく実施され、各地でエレベーターに人がとじ込められたり携帯電話が一時不通になったりするなどの混乱が発生した。主要企業の生産設備稼働には大きな影響はなかった。停電は同日夜には復旧する見込みという。

 韓国メディアによると、夏の電力需要期を過ぎた9月初旬から発電設備が相次いで点検作業に入り、電力の供給力が大幅に低下していた。15日は各地で最高気温が軒並み30度を上回り、電力需要が予想を約300万キロワット上回る6700万キロワット強に達したという。




「電力がぶ飲み大国」韓国の現実
電気料金は日本の半分以下、原価割れで電力公社は巨額赤字
 2ページ目より

|燃料輸入コストは日本より高い

 一般家庭用の電気料金も安い。韓国政府によると、韓国の電気料金は経済開発協力機構(OECD)加盟国の平均額に比べ家庭用、産業用ともにだいたい半額の水準だという。

 韓国は、石油や天然ガスなどを全量輸入している。原子力発電所への依存度も30%を超えているが、基本は「輸入したエネルギーを使って発電して供給する」構造で、資源高がそのまま跳ね返っているはずだ。

 さらに、日本とは反対に、ここ数年間は、政府が「輸出産業支援」のために露骨なまでに為替相場をウォン安に誘導しており、エネルギー輸入のウォンベースでの負担額は急増している。

 にもかかわらず、これだけ電気料金が安いのはもちろん、政府が料金を管理しているためだ。その負担を独りでかぶっているのが韓国電力なのだ。

 韓国では、2011年8月1日から電気料金が値上がりした。原油価格の値上がりなど受けたやむを得ない措置との説明だが、値上げ幅を見て驚いた。平均4.9%。当初の計画では7.6%前後だったが、「物価抑制」という理由で値上げ幅が圧縮された。


|原価割れだから安くて当然、雪だるま式に膨らむ赤字


 電気料金引き上げを発表した知識経済部長官(日本の経済産業相)の会見の様子を見てもっと驚いた。「今の電気料金は原価の86%にすぎないが、庶民の負担や物価動向を考慮して引き上げ幅を最小化した」

 韓国の電気料金は安いはずだ。電気料金は、「原価割れ」だったのだから。これでは、韓国電力が赤字から脱却できるはずがない。




【NewsBrief】米テキサス州、猛暑で電力不足に直面 - WSJ日本版

 猛暑に見舞われた米テキサス州で、今夏のピーク電力需要が既に過去の水準を上回り、急成長が続く同州で向こう数年発電能力の不足が続く可能性が出てきた。

 テキサス州の電力供給網の安定性を管理するテキサス電気信頼性評議会(ERCOT)は、昨年に続き今年も夏の電力需要予測を大幅に見誤った。先週、テキサス州全体で電力需要が急増し、一部の大口需要家が停電に見舞わる事態が発生した。ただし、輪番停電は辛うじて免れた

 ERCOTの予測は、過去10年の夏の平均需要に基づいているが、過去2年は異常な暑さとなり、エアコンの消費電力が押し上げられた。今年の7月の電力需要は例年水準を12%上回った

 今回の電力不足は、テキサス州の自由化された電力市場のぜい弱性を露呈することになった。同州の電力供給網は他州とほとんど連係されていないため、電力不足に陥っても他州から供給を受けることができない

 また、テキサス州の75%がERCOTの自由化電力市場に当たるため、規制当局は電力会社に発電所の建設を命じることができず、電力会社が自主的に新規設備の建設に乗り出すのを待つしかない

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タグ : 韓国 中国 アメリカ 

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