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再生可能エネルギー法が成立、導入量と負担の試算など



再生可能エネルギー法が修正され、衆議院・参議院で可決されて成立。施行は来年の7月からということになります。
原案からの主な修正ポイントとしては

  • 買取条件は「調達価格等算定委員会」の定める案をもとに決定
  • 同委員会のメンバーは国会同意人事で、価格算定の根拠なども国会へ報告される
  • 多量の電力が必要な産業と、東北など被災地には、負担軽減の措置
  • 負担軽減のための財源は、エネルギー対策特別会計から出す
  • 制度の見直しは3年毎と、エネルギー基本計画の決定時にも行う

導入量と負担増加の予測

負担の増加については、電気料金の上乗せを1kWhあたり0.5円に抑える方針となっている。この場合、再生可能エネルギーの発電量は4%~5%程度の増加(2020年)と予想されている。

標準家庭(300kWh使う家庭)だと、電気料金は月に6000円ほどに、150円のサーチャージ分が加わる計算。値上げ幅でいうと、2.5%程度が電気料金に上乗せされることになる。ただし、これは買取費用(発電コスト)のみの数字で、送電網の整備や、不安定な出力を調整するためのバックアップ費用は含まれてない。

このあたりの予測は、以前の「再生可能エネルギーの全量買取に関するプロジェクトチーム」の試算がもとになっている。この試算によると、1kWhあたり0.5円の値上げに抑えるための条件は

  • 太陽光以外は全量買取、買取価格は15円、価格の固定期間は15年
  • 住宅用太陽光は余剰買取、事業者は全量買取、価格は別条件

太陽光の買取価格に関しては、だいたい30円台後半と想定されている。今年度の買取価格が、住宅用など42円、事業者用が40円となっているので、1割ほど価格は引き下げられることになる。

全量買取制度では、価格を段階的に引下げることで、業者のコスト低減を促すことも目的のひとつコストの低下が起きなければ、社会全体にとってのプラスの効果は現れない。高価格を維持すれば、一部の業者などは利益を得られるが、電力消費者に重い負担が増えるので、社会的にマイナスの効果になると予想されていた。
太陽光発電の余剰買取と全量買取の制度比較

高い補助金を目当てにした投機目的の設置を許せばどうなるかは、スペインで起きた太陽光バブルの例がわかりやすい。


買取費用負担額(円/月)
買取費用
(億円/年)

kWh当たりの
負担額
(円/kWh)
標準家庭※2
(円/月)
中規模工場※3
(円/月)
大規模工場※4
(円/月)
全量買取制度
15円・15年買取り※1
4,6220.5150125,0001,200,000
全量買取制度
20円・20年買取り※1
6,2920.68204170,0001,632,000
【参考】現行制度
(太陽光余剰買取)
3,1180.3410285,000816,000
※1 太陽光発電以外のエネルギーの買取価格・期間
※2 標準家庭の電気使用量は300kWh/月と想定
※3 中規模工場の電気使用量は250,000kWh/月と想定
※4 大規模工場の電気使用量は2,400,000kWh/月と想定

太陽光発電余剰電力の買取価格(円/kWh)
平成22年度まで平成23年度から
住宅用4842
非住宅用2440


再生可能エネルギーの発電コストをおおざっぱに計算

既存の発電の4%が、再生可能エネルギーに置き換わり、その結果として2.5%の値上げとなる。再生エネルギーで作られた電気は、現在の1.625倍の価格(送電コスト込みで)、という計算になる。
〝4%×(1.625-1.0)=2.5%〟

再生エネルギーだけの電気料金を計算すると、現在の電気料金1kWh20円として、その1.625倍で32.5円くらい。送電コストはどっちも同じだとすれば、再生エネルギーは12.5円ほど発電コストが高い。これは、予想される買い取り費用を、発電量で割って出した時の上乗せコスト、11.5円~13円ともだいたい一致する。

この12円~13円という数字は、買取の対象になっている5種類の再生可能エネルギーの上乗せコストを加重平均したもの、ということになる。発電方法ごとの上乗せコストはバラバラだが、おそらく風力や水力などは、この平均よりも安いはず。

太陽光など、再生エネルギーの中でもコストの高い発電方法が増えることで、平均コストは押し上げられている。ドイツの全量買取制度では、再生エネルギー発電量の6.2%しかない太陽光が、買い取りにかかる上乗せ費用の24.6%を占めていた。


負担軽減分を、誰が肩代わりするか

多量の電気が必要な業種に対しては、負担が重くなりすぎないように軽減することとなっている。上乗せ分を、最大で8割までカットする。低所得者や、被災地の家庭・企業への軽減措置も実施される。その財源は、エネルギー対策特別会計から持ってくる。

しかし、エネルギー対策特別会計の歳入としては、石油石炭税、電源開発促進税、一般会計からの繰り入れ金などになっている。石油石炭税は石油・石炭・ガスなどにかかってくるし、電源開発促進税は電気料金にかかる税金

最終的な負担が、家庭や企業になることに変わりはない。ドイツと同じように、企業などへの軽減措置は、家庭の電気料金に転嫁されることになりそうだ。

エネルギー対策特別会計(METI/経済産業省)
資源エネルギー庁 インフォメーション 予算・決算情報、財務書類


系統安定化のためのコスト

再生エネルギーの普及のために必要なコストは、直接の買取費用だけではない。風力や太陽光などは出力が不安定なため、大量に導入が進んだ場合に、電力網安定化のための対策が必要になる。スマートグリッドなどとも呼ばれるが、この送電網のコストが、買取費用の上乗せよりも莫大になる場合がある。

買取費用の上乗せ0.5円(2.5%)の場合だと、10年後の太陽光の導入量は2800万kWと想定されている。もし、太陽光で発電されたすべての電気を買い入れて、蓄電池などで調整するとなると、10年で16兆円の投資が必要になる。この場合、標準家庭で月額の電気料金に900円の上乗せとなり、値上げ幅は6%になる。買取費用の上乗せ分とあわせると、8.5%ほど電気料金が高くなる試算になる。
風力や太陽光による、電力系統の不安定化

ただし法案では、安定供給に支障が出る場合に、買取を免除できる条件にはなっている。春や秋、休日など電力消費の少ない時には、電力を買取らずに送電網から切り離し、出力を抑制することで、この負担額は小さくできる可能性もあるようだ。


太陽光発電の大量導入に伴う投資額




再生エネ法案:衆院通過 買い取り価格、普及のカギ 出力安定化も課題 - 毎日jp(毎日新聞)より引用

 23日に衆院を通過した再生可能エネルギー固定価格買い取り法案は、太陽光や風力発電の事業者には追い風となる。ただ、電力料金の上昇を懸念する産業界などへの配慮から買い取り価格は抑制されそうだ。再生可能エネルギーを原発にかわる基幹電源にするには、出力が不安定で高コストという課題を乗り越える必要があるが、法案がどこまで普及の弾みになるのかは、まだ見通せない。【宮島寛、和田憲二、寺田剛】

 買い取り法案は、風力発電など再生エネ事業者が発電した電力の買い取りを電力大手に義務付ける。事業者が安心して設備投資を行い、再生エネの普及に弾みをつけることが狙いだ。

 買い取り費用は電気料金に転嫁されるため、買い取り価格が高いほど電気料金ははね上がり、家庭や企業の負担は増す。海江田万里経済産業相は「(転嫁額が)1キロワット時当たり0・5円を超えないように制度を運用する」と、買い取り価格に事実上の上限を設定する考えを示唆。標準家庭の場合、10年後の負担額は月150円程度に収まる計算だ。

 しかし、買い取り価格を抑えれば、再生エネ事業者の採算が悪化し、普及は進まない。資源エネルギー庁などは、太陽光は1キロワット時当たり30円台後半、それ以外は同15~20円を想定している。これに対し、メガソーラー(大規模太陽光発電所)の整備を計画している孫正義・ソフトバンク社長は「買い取り価格が1キロワット時あたり40円を下回れば、事業者は笛吹けど踊らずになる」と、再生エネの普及が進まないと批判する。

 政府試算によると、転嫁額が1キロワット時当たり0・5円の場合、再生エネの発電比率は現行10%(大型水力を含む)から10年後に4~5%増える程度だ。菅直人首相がぶち上げた「(再生エネの発電比率を)20年代の早期に少なくとも20%超」まで高めるとした目標の実現は難しそうだ。

 また、風力や太陽光を利用する再生エネは出力が不安定なのも普及のネックになっている。法案では、電力の安定供給に支障が生じる場合は全量買い取りを免除する例外規定が設けられた。実際に、風力発電の適地が多い北海道電力は、風力の新たな買い取りをすぐには行わない方針を示している。

 安定供給を理由に買い取り拒否が続出すれば、再生エネの普及の足かせとなる。不安定さを補うには、IT(情報技術)を活用して電力需給を調整する次世代送電網(スマートグリッド)の技術開発や、送電網の整備も必要だ。ただ、実現するには開発やインフラ整備のコストは小さくなく、官民の役割分担などの議論を加速させる必要がある。

 ◇産業界負担なお不透明

 産業界は、電力を多く使用する産業向けに負担軽減措置が導入されたことを歓迎している。ただ、どの業種を軽減するかなど具体論は先送りされ、「経済産業省に問い合わせても明確に示されない」(化学メーカー)など不満がくすぶる。大口需要者への軽減措置を導入したドイツでは、標準家庭の上乗せ額が、導入前の400~500円から1000円超に急増した。日本でも「他産業にしわ寄せが行く」(海江田経産相)懸念がある。

 与野党の法案の修正協議で、電力使用量が製造業平均の8倍を超える企業は、転嫁分の8割以上を軽減する対応策が導入された。鉄鋼や化学メーカーなど対象となりそうな企業は「競争力が低下しかねない状況に配慮してもらった」(電炉大手の東京製鉄)と評価する。

 産業界は震災後の電力コスト上昇に加え、再生エネの普及が電気料金を押し上げないか警戒してきた。とりわけ菅首相が「再生エネ比率20%超」を目標に掲げたことには異論が続出し、鉄鋼連盟は製造業全体で約8000億円の負担を迫られるとの試算を発表。住友化学出身の米倉弘昌・日本経団連会長は「企業は海外に出ていかざるを得なくなる」と強く反発した。

 政府は負担軽減措置のために、エネルギー対策特別会計の財源を充てる考えだ。ただ、同特会の税収となる石油石炭税や電源開発促進税は最終的に電気料金に転嫁されるため、国民負担が見えにくくなるだけの結果に終わる可能性もある。

毎日新聞 2011年8月24日 東京朝刊




Q&A 再生可能エネルギー法案 | ニュース | 公明党より抜粋

3党が合意した修正内容について、主なポイントは二つあります。一つ目は買い取り価格設定の透明性確保、二つ目は電力の大口需要者や低所得者、被災地への負担軽減措置です。

欧州の先進事例を見ると、再生可能エネルギー普及の最大のポイントは価格の設定です。修正前の政府案では、価格の設定を、ほぼ経済産業相に委ねる内容でしたが、これでは裁量行政の範囲を出ません。このため、公明党、自民党の主張で、買い取り価格ならびに、買い取り価格算定の基礎に用いた数や算定の方法まで細かく国会報告を義務付けました。

また、政府による恣意的な価格の決定がなされないよう、中立の第三者機関として「調達価格等算定委員会」を新設し、委員の任命には国会の同意を求めることとしました。

さらに、政府案では、買い取り価格の種類について、住宅用と住宅用以外の太陽光発電、太陽光以外の発電の3種類という大ざっぱな分類でしたが、修正案では、欧州の先進事例に倣い、きめ細かな価格設定を行うよう条文に盛り込んでいます。

このほか、経産相による最終的な価格決定の前には環境相や国土交通相、農林水産相との協議を経て、消費者担当相の意見を聞くよう法律で定め、電気事業者には、買い取りに要した費用を電気料金に過度に上乗せしないよう経費削減の努力義務を課しています。

修正案は、徹底して価格決定過程の透明性を高めたことで、政府案とは全く異なるものになったと言えます。

また、負担軽減措置について、電気料金が上がれば中小企業を含む電力多消費産業には過度の負担となり、企業の海外流出による産業空洞化や国際競争力の低下が懸念されていました。このため、電気の使用にかかる原単位(1キロワット時当たりの売上高)が製造業平均の8倍を超える事業者を対象に電気代への料金転嫁額を8割以上、減額します。財源については、国民への負担転嫁がなされないよう、エネルギー特別会計で賄うなど必要な予算上の措置を講ずることが法案にも明記されています。

低所得者への配慮についても、付帯決議に盛り込まれ、東日本大震災の被災地の企業や家庭には、復興が妨げられないよう電気代の上乗せを2013年3月末まで免除します。

公明の主張を全面的に反映し修正


このほか、見直し規定も付則に盛り込まれています。見直しは、(1)来年にも予定されるエネルギー基本計画の変更時点(2)基本計画の変更ごと、または少なくとも3年ごと(3)2020年度までに抜本的見直し―の3段階で行われます。

公明党は、再生可能エネルギー電力の普及について、参院選マニフェスト2010で、国民生活への影響に配慮した電力の全量固定買い取り制度の創設を掲げ、全力で推進してきました。3党で合意した修正内容は、公明党の主張を政府与党が、ほぼ全面的に受け入れたものとなっています。

公明新聞:2011年8月19日付

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タグ : 再生可能エネルギー 自然エネルギー 太陽光発電 

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