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効率的な普及と負担のバランスを考えた、再生可能エネルギー法案の修正



政府の再生可能エネルギーに関するPTの検討結果が、2010年8月4日に出されてました。
再生可能エネルギーの全量買取制度の大枠について(METI/経済産業省)

太陽光発電については、以前の資料にあったのものとは違う買取条件が示されています。国会の方でも、公平な価格設定のための修正案が出ているようです。再生エネルギーの効率的な普及や、負担のバランスを考えた法案になってくれるといいのですが。

資料の中には参考になりそうなデータも多くありましたので、抜き出して見ていきます。




参考資料2.再生可能エネルギーの全量買取制度の導入に当たって【参考資料】(PDF形式:329KB)PDF

太陽光発電は、固定価格での買取期間が10年間?
この資料では、太陽光発電の固定買取期間は10年間と書かれています。前回見た資料では、住宅用(家庭用)が10年間、非住宅用(事業用)が15~20年となっていました

買取期間が他のエネルギーの半分程度の10年間であれば、太陽光の買取価格を2倍の40円に設定しても、条件的にはほぼ同じになります。エネルギー間の競争によってコストの低減をめざすことも書かれていますので、これは必要な修正だと思います。

また住宅用については、今までどおりの余剰買取にすることも書かれています。省エネ意識を高める、国民負担を減らす、追加の配線工事が不要、などの理由からです。家庭用の太陽光も全量買取にした場合、2600億円の負担増になるという試算がされています。

住宅用の太陽光を全量買取にすることも検討する、というようなことも書かれていますが、その場合は余剰買取よりも低い買取価格を設定する方針になっています。不公平感をなくすため、よく考えられています。


太陽光発電の余剰買取と全量買取の制度比較



買取などの条件を変えて、いろいろなケースで試算されたようですが、今回の試算になったのはケース4というやつです。
ケース4の買い取り条件は以下の通り

  • すでに実用化されているエネルギー (波力、潮力などは対象外)
  • 全量買取 (住宅用太陽光は余剰買取)
  • 新設された分のみ (すでに設置されている分は今までと同じ条件)
  • 買取価格は15円~20円の一律 (太陽光は別条件)
  • 買取期間は15年~20年のあいだ (太陽光は別条件)

導入量
( 万kW )
想定年間発電量
( 億kWh )
CO2削減量
( 万t )
CO2削減コスト
( 円/t )
年間買取費用
( 億円 )
ケース43,155~3,474397~4812,382~2,88719,407~21,7984,622~6,292

10年後の日本の年間総発電量が、現在と同じく1兆kWhくらいだとすると、今よりも再生エネルギーの割合が4.5%分くらい増加することになる。買取費用を総発電量で割ると、1kWあたり13円くらい? これだと買取費用15円~20円(太陽光はそれ以上?)とは合わない。この場合の『年間買取費用』は、現在の発電コストに上乗せされる分を合計したものだろうか。

CO2削減1トンあたりのコストは2万円ほどになっている。ドイツの例だと、太陽光で716ユーロ/t、風力で54ユーロ/tだったので、だいたいこんなものか。排出量取引が最大30ユーロ(3300円)くらいだったので、CO2削減としてはかなり高くついてしまう


(単位:万kW)
合計  太陽光  風力 中小水力   地熱   バイオマス
現状(2009年)1,470210220990500
追加導入量
(見通し)
+3,200~+3,500+2,780+280~+530+30~+70+20~+50+50
※10年後の導入量の見通し。バイオマス発電は林地残材バイオマスのみの数値

やはり導入量の大半は太陽光になっている。ただし、それぞれ稼働率が違うので、実際の発電量だと比率がかわってくることに注意。太陽光は日の出ている時間しか発電できないので、稼働率は条件がよくて15%程度。風力だと条件のいい場所で30%くらいだといわれる。

現在の中小水力がかなり多いが、これはわりと規模の大きいものも含めての数字だろうか。バイオマスはゴミ、紙パルプ、発発酵させたガスなど、燃やすものはいろいろあるが、この表では間伐材などを利用した木質バイオマスだけの数字のもよう。



買取費用負担額(円/月)
買取費用
(億円/年)

kWh当たりの
負担額
(円/kWh)
標準家庭※2
(円/月)
中規模工場※3
(円/月)
大規模工場※4
(円/月)
全量買取制度
15円・15年買取り※1
4,6220.5150125,0001,200,000
全量買取制度
20円・20年買取り※1
6,2920.68204170,0001,632,000
【参考】現行制度
(太陽光余剰買取)
3,1180.3410285,000816,000
※1 太陽光発電以外のエネルギーの買取価格・期間
※2 標準家庭の電気使用量は300kWh/月と想定
※3 中規模工場の電気使用量は250,000kWh/月と想定
※4 大規模工場の電気使用量は2,400,000kWh/月と想定

1kWhあたりの負担額というのは、サーチャージに相当する金額。再生エネルギーの買取でかかった追加コストを、総発電量(火力・原子力・水力なども含まれる)で割って求めた値。

毎月300kWhの電気を使えば、家庭の負担は月に150円、年間で1800円の上乗せ。工場では電力を多く使うので、月に12万5000円、年間150万円。大きな工場だと月に120万円、年間で1440万円の負担増になる。

大量に電力を消費する産業に配慮する、というようなことも書かれていたので、すべての家庭や企業が一律で負担するかどうかはわからない。たくさん買えば割引になる




電力系統の安定化対策
○ 系統安定化対策については、電力需要が特に小さい日等に備えて、将来的に、蓄電池
  の設置や太陽光発電等の出力抑制
を行うなど、国民負担を最小化しつつ、再生可能
  エネルギーの最大限の導入
を可能とするような最適な方策を、今後検討していく。
○ また、将来的な系統安定化に関する技術開発動向や、実際の系統への影
  響等を見据えつつ、必要に応じて制度の見直しを検討
する。

  • 太陽光発電等の再生可能エネルギーが大量に導入された場合の系統安定化対策として、余剰電力への対応、周波数調整力の確保、電圧上昇対策が必要となる。
  • 特に、余剰電力対策としては、今後、太陽光発電の導入ペースや、蓄電池の生産能力、いわゆる「スマートグリッド」関連の技術開発動向等を踏まえ、社会的コスト低減の観点から、国民理解の下、ある時期以降適切な出力抑制を行うことが必要となり得る。
  • 以上を踏まえ、次世代送配電システムに係る技術・ルール等について、次世代送配電システム制度検討会において検討を開始したところ。

energy_stab.jpg

系統安定化対策に係る負担額の試算結果
対策2020年までの負担総額2020年時点の年間負担額
①年間30日出力抑制(全量)1.46兆円0.22兆円
②年間14日出力抑制(全量)4.27兆円0.89兆円
③年間14日半量出力抑制(半量)9.46兆円1.78兆円
④出力抑制なし18.01兆円3.43兆円

自然エネルギーは発電量のコントロールが難しいので、間接的なコストも多くなってしまう。特に太陽光や風力は、気象条件に左右されて発電量の変動が激しい。ドイツの例でも、太陽光のバックアップのためにガス火力のコストが年間750億円(2006年時点)かかっていた。自然エネルギーの発電量が増えてくれば、大きな課題になってくる。

蓄電技術の開発促進や、送電網の整備が必要になる。しかし、現在の再生可能エネルギー法案では、それらの研究開発や普及のことはまったく考えられていない

再生エネ法案:自民が修正案 今国会成立へ - 毎日jp(毎日新聞)

 自民党の総合エネルギー政策特命委員会(委員長・山本一太参院政審会長)は10日午前、菅直人首相の退陣条件として残る再生可能エネルギー固定価格買い取り法案について、政府・与党に修正を求める項目をまとめた。同日午後に民主、公明両党と修正協議を開始する。3党合意を経て今国会中に成立する見通し。

 自民党の修正案は経済産業省による価格決定に関する部分が中心で、(1)中立的な第三者機関を関与させる(2)経産相が農相、国土交通相、環境相と協議する(3)決定根拠の国会への報告を義務付ける(4)少なくとも1年ごとに見直す--ことなどを盛り込んだ。中小企業を含む電力多消費産業に対する負担軽減措置も求める。

 これを受けて、民主党の斎藤勁国対委員長代理は10日午前、「正式に修正協議に入る。12日に衆院経産委員会で採決し、本会議に緊急上程できればと考えている」との見通しを記者団に語った。【念佛明奈】

毎日新聞 2011年8月10日 11時24分(最終更新 8月10日 11時52分)

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タグ : 再生可能エネルギー 自然エネルギー 民主党 自民党 太陽光発電 

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