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再生可能エネルギー法案に、ドイツやスペインの反省点は生かされているか



ドイツスペインの事例から、太陽光発電の全量固定価格買取制度(FIT)の問題点が見えてきます。高い買取価格と長期間の固定買取を設定したために、太陽光だけで10兆円規模の支払い債務が発生してしまいました。

ドイツの場合、太陽光は風力の4倍以上の価格設定、買取補助金額は9倍以上でした。なぜこのような買取条件を設定してしまったのか。太陽光を普及させることに固執するあまり、負担の大きさに気がつかなかったのか。太陽光にこだわらず、もっとコストの安い風力やバイオマスを優先していれば、余計な負担を増やさずに済んだはずですが。

イタリア、フランス、イギリスなど、他のヨーロッパ各国でも再生可能エネルギー全量買取制度の課題に直面しています。特に太陽光発電はコストが高く、発電量が不安定だという問題点もあります。

そのあたり問題も考えながら、日本版FITともいえる再生可能エネルギー法案の原案を、ドイツやスペインの事例と比較しながら見てみます。再生エネルギー法案、自然エネルギー法案などとも呼ばれていますが、正式には電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案です。




  • 買取の対象は、太陽光、風力、水力(3万kW未満のもの)、地熱、バイオマス、その他
  • 買取の期間、買取の価格は、経済産業大臣が決める
  • 買取にかかった費用は、電気料金に上乗せしてまかなう(サーチャージ)。
  • 3年ごとに見直しを行い、2020年には廃止も含めた見直しを行う

energy_price.jpg

太陽光だけ買取価格が別枠
太陽光の買取条件だけが別枠扱いになっていて、しかも『当初は高い買取価格』と書いてあるだけ。具体的な価格は示されていない

現在の余剰買取制度での価格が40円程度なので、それと同じ買取額になるという見方が多い。太陽光が40円だとすると、太陽光以外の15~20円という買取価格の2倍以上。これではドイツやスペインなどと同じく、負担が大きくなりすぎる危険がある。

太陽光を2倍以上の価格で優遇し、他の自然エネルギーを冷遇する理由があるのかどうか疑問です。電力仕分けでもやってもらいたい。「なぜ太陽光なんですか? 風力じゃダメなんですか?」

どうせなら、すべてのエネルギーを一律の買取価格にしてしまえばいいでしょう。買取価格が同じであれば、事業者はできるだけコストの安いものを設置したほうが、利益は大きくなる。同じ金額をつぎ込むのなら、安い方が大量に設置できるので普及するのも早い。消費者の電気代値上げの負担も少なくてすむ。

日本では現在のところ、風力の発電力がもっとも多く、次がバイオマスです。ドイツも同じく、風力、バイオマスの順です。太陽光よりも買取価格が安いにもかかわらず、圧倒的に普及しており発電量も多い。現状ではこれらのエネルギーの方が有望であることがわかります。


RPS.jpg

買取期間の長さは、負担の重さに直結する
太陽光以外は15年~20年の間ということになっている。事業者にとっては、固定価格で買取ってもらえる期間が長い方が、安定して利益が出るから参入しやすい。しかし消費者の側から見れば、重い負担が長期間続くというデメリットになる。価格を高くするなら期間は短くする。あるいは、価格を安くするかわりに期間を長めにするなど、負担のバランスを考える必要がある
太陽光発電の買取制度の比較

住宅用の太陽光の買取期間だけが10年間になっている。それに対して、非住宅用(事業者向け)の買取期間は15~20年になっている。スペインの事例では、事業者による投機目的の設置が行われはじめてから、設置量が一気に増えた。それにともなって負担も膨らんだ。

とにかく設置数を増やしたい、という意図で制度を作ってしまうと、後でとんでもない負担が国民にのしかかることになる。

買取の条件は経済産業大臣が決める
価格、期間は大臣が決めることになっている。これではまるで、政治家と業界団体に、「癒着してください」と言っているように聞こえる。すでに太陽光ビジネスに参入している人間、これから参入することを考えている人間が、菅総理の周りに集まってきている

国民の負担を無視して、お友達に有利な条件を設定しまうことになるんじゃないだろうか。


費用は電力料金に上乗せして負担
買取費用は、電気料金に上乗せされて(サーチャージ)、家庭や企業が負担する。この仕組みであれば、スペインのように費用を電気料金に乗せられず、電力会社の赤字がふくらむ心配はない。政府が配電会社の負債を肩代わりするようなことにならないだろう。電気料金で負担するにしても、税金で負担するにしても、国民負担には変わりないけれど。

また、現在の制度では地域ごとに再生エネルギーの導入量に差があり、電気料金に上乗せされる金額も地域差がある。新しい法案では、地域差を調整する機関を設置することも決められている。


見直しのサイクルは3年ごと
3年ごとに価格や制度の設計を見直す、とあるが、3年後では手遅れになる場合もある。。

スペインでは1年ちょっとで想定の10倍以上の太陽光パネルが設置された。しかも高い価格で、長期間固定買取だったため、今後25年の支払いも含めると10兆円単位の債務が発生してしまった。ドイツでも2010年に3度も価格を引き下げている。イギリスでは今年の6月、買取のための予算をオーバーしたために、買取価格を72%引き下げたばかり

最初の制度設計がいいかげんなものだと、あっというまに被害が拡大してしまう危険がある。




green_energy.jpg

電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案の概要

平成23年3月経済産業省

1.法律案の趣旨
○エネルギー安定供給の確保、地球温暖化問題への対応、経済成長の柱で
 ある環境関連産業の育成のためには再生可能エネルギーの利用拡大が
 急務であり、再生可能エネルギーの固定価格買取制度を導入する。

2.法律案の概要
(1)電気事業者に対する再生可能エネルギー電気の買取りの義務付け
太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスを用いて発電された電気につい
 て、電気事業者に対し、経済産業大臣が定める一定の期間・価格により
 買い取る
(調達する)よう義務を課すことで、発電事業者が再生可能エ
 ネルギー発電設備へ投資を行う際の回収リスクを低減し、新規投資を促
 す。
(2)買取費用の負担方法
○買取りに要した費用に充てるため各電気事業者がそれぞれの需要家に
 対して使用電力量に比例した賦課金(サーチャージ)の支払を請求する
 ことを認めるとともに、地域間でサーチャージの負担に不均衡が生じな
 いよう必要な措置
を講ずる。
(3)その他
○電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS
 法)は廃止する(ただし、所要の経過措置を講ずる)。
○少なくとも3年ごとに、再生可能エネルギーの導入量及びサーチャージ
 負担の与える影響等を勘案した見直しを行うとともに、2020年度
 目途に廃止を含めた見直しを行う。

3.施行期日
公布の日から起算して1年以内に施行する。




太陽光発電の電力買い取り価格、大幅引き下げへ - 欧州 - 世界のビジネスニュース(通商弘報) - ジェトロ

太陽光発電の電力買い取り価格、大幅引き下げへ(英国)

2011年06月30日 ロンドン発

 エネルギー・気候変動省は6月9日、2010年4月から導入している電力の固定価格買い取り制度(FIT)の買い取り価格見直しを発表した。大規模な太陽光発電所の建設申請が想定を超えて増えているため、現在の価格を維持したままでは原資が不足してしまうとして、発電容量50キロワット(kW)以上の太陽光発電の買い取り価格を8月1日から最大72%引き下げる

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タグ : 再生可能エネルギー 自然エネルギー 太陽光発電 

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