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ドイツ太陽光発電の補助金政策(FIT)の失敗から学ぶべき教訓



追記:ドイツのFIT制度がさらに修正され、太陽光発電は全量買取されなくなるそうです。導入目標も大幅に引き下げられ、太陽光発電の買取助成制度は廃止の方向です。



今回はドイツの太陽光発電と全量固定買取制度(FIT)の実態について。太陽光は風力などに比べても発電効率が悪く、したがってコストが高い。発電量が小さい割に、負担だけが膨らんでしまう結果になっている。

また、太陽光パネルの半数が価格の安い国外からの輸入品になっていて、ドイツ国内の太陽光産業は壊滅状態にある。ドイツ国民が電気代として払った補助金を、海外の工場へたれ流しているような状態にある。

またドイツでは、太陽光発電の不安定さを補うバックアップとして、ガス火力発電を使用している。ドイツは石炭が豊富で自給できているが、石炭火力は発電量を調整できる幅が小さいので、バックアップとしては使いづらい。

ガスの使用が増えたため、ガスの輸入元であるドイツへの依存度が高まり、エネルギーセキュリティを引き下げる結果になっているという。




IEAに政策変更を勧告されたドイツの太陽光発電: ECO JAPAN -成長と共生の未来へ-:
(途中までは要約、結論部分は原文をそのまま引用)

太陽光の量的拡大を推進したFIT

ドイツでは、2000年の再生可能エネルギー源法(EEG)の成立から本格的な導入が進んだ。この法律は、電力会社に固定価格による20年間の長期買い取り(FIT)を義務づけた。発電量に占める再生可能エネルギーの割合は、6.6%(2000年)→16%(2009年)に増加した。太陽光発電量が占める割合は1%程度となる。

買取価格は、太陽光が43ユーロセント、風力が9ユーロセントで、5倍近い価格に設定されている。補助金の額にいたっては、太陽光が37ユーロセント、風力は4ユーロセントで、じつに9倍以上の負担再生エネルギー発電量のうち、太陽光の占める割合は6.2%だが、補助金の額では24.6%を占めている


巨額な太陽光発電のコスト

この場合の『コスト』とは、補助金のみの額。その他のコストは除外して考える。ドイツの制度では、いったん契約すると、買取価格が20年間固定される。そのため、途中で買取制度をやめても、20年間は補助金を払い続けることになる。

現在までの太陽光の累計コストは、今後20年間で655億ユーロ(7.2兆円)。これはFIT制度が続く限り、さらに増える


CO2 1t削減に716ユーロ

化石燃料を太陽光に置き換えた場合、CO2削減に必要な補助金は1トンあたり716ユーロ。これが風力であれば、1トン54ユーロEUの排出権取引では、最高値でも1トン30ユーロ程度とはるかに安く済んだ。


キャップ&トレードと両立しないFIT

FITでCO2削減した国や企業は、排出権取引などでの削減分を減らすことになる。削減費用はFITのほうが高いので、トータルでの削減量は増えないのに、コストだけが上がってしまう。CO2をさらに削減するためには、巨額の追加コストが発生する。


 もちろん、FIT導入にはエネルギー安全保障、雇用、技術進歩など別の観点からの総合的検討が必要である。従って本稿でドイツのFITのすべてを否定するつもりは毛頭無いが、少なくとも太陽光に関しては賢明な政策とは言い難い

 実際、ドイツではIEAの勧告や電気料金引き上げに対する国民や企業からの批判を受けて、太陽光については2010年の1年間だけで3度も買い取り価 格を引き下げ、以降も継続的に引き下げの方向である。これまでの議論から明らかな通り、ドイツの最大の問題点は高い買い取り価格を20年間固定することで 極めて巨額な補助金が累積することである。

 日本で現在検討されている太陽光発電の固定価格・全量買い取り制度案は、買い取り期間を住宅用で10年、その他(事業用など)を15~20年とする方向で進んでおり、 補助金が膨らみすぎるリスクを軽減している。また、買い取り価格も当初は高めに設定するものの、その後は技術進歩の状況を勘案の上段階的に引き下げる。住 宅など小規模な太陽光発電については全量ではなく、余剰分だけを買い取り対象とするなど随所に補助金の垂れ流しを防ぐ工夫が見られる。

 日本は原発事故などの結果、エネルギー供給量の絶対的不足に直面している。当面は火力発電の増加と電力需要抑制で乗り切るしかないが、中長期には 原子力、火力、再生可能エネルギーを含めた将来のエネルギーベストミックスについての冷静な検討が必要であることをドイツの事例は示している




ドイツは間違った 全量固定価格買取制度(フィード・イン・タリフ)は正反対の結果
~要点部分のみ抜粋~

  • ドイツの電力会社がグリーン電力購入に要する金額は現在1.5ユーロ・セント/ KWH(2円)に達しており、支払請求を受ける家庭電力料金(20セント)の7.5%に相当している。
  • 20年間のグリーン電力購入を保証しているので、仮に2010年に制度を終了させても消費者側の支払債務は太陽光発電で533億ユーロ(7兆円)、風力発電で205億ユーロ(2.7兆円)の巨額に達する。
  • 目指すCO2削減にしても、太陽光発電の削減コストは716ユーロ/トン、風力発電の削減コストは54ユーロ/トンで、欧州排出権取引市場価格(18ユーロ)のそれぞれ40倍、3倍というコスト効率の低いものとなっている。
  • 雇用創出面でも、太陽光の場合実際にはアジアをからの輸入によって設置数の半分が占められている。太陽光従事者48,000人に純増コストを割振ると、1人当たり175,000ユーロ(2,200万円)の補助金を出していることになる
  • エネルギー・セキュリティー増大を目指しているが、実際にはバックアップ電力としてガス火力発電を待機させる必要があり、2006年には5.9億ユーロ(750億円)を要した。またガスの36%はロシアから輸入されるため、セキュリティーの向上ではなく引下げとなっている。
  • コスト削減とイノベーションを目指して電力購入価格の逓減方法を採り入れているが、実際には正反対の結果となっている。太陽光発電の投資家は今日現在の高い価格での長期販売を望み、技術の改善には無頓着である。政府が勝者と敗者を分けるようなプログラムでは効率的なエネルギー・ミックスは実現しない
  • 競争力を持たない揺籃期の技術については、政府は大規模な生産を推進するよりも研究開発に投資する方がコスト効率は高い。特に太陽光発電についてそう言える
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タグ : 再生可能エネルギー 自然エネルギー 太陽光発電 ドイツ 

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