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北海道電力のメガソーラー受け入れ枠は競争入札で決めればよかった



メガソーラー発電事業者が北海道に殺到したために、2メガワット以上の分については早くも1年目で受け入れ可能量を越えてしまった、という件について。全国の太陽光発電のうち、およそ3割が北海道に集中するという異常な状態になっていたようです。
メガソーラー:買い取り申請87件 北電の受け入れ可能量上回る /北海道
[PDF] 北海道における大規模太陽光発電の接続についての対応を公表します / 経済産業省

なぜ北海道なのかと思ったら、業者が土地の安い北海道に目をつけたという事。太陽光発電の買取価格は全国一律で42円/kWhですので、土地代などを安く上げて少しでもコストを下げれば、その分だけ利ざやが稼げますから。

なおオーバーしたのは2メガワット以上の大規模な設備の枠だけで、0.5メガワット~2メガワットの申し込み枠については許容範囲に納まったようです。



冬場に電力が必要な北海道では太陽光より風力優先


日射量によって発電量が目まぐるしく変わるのが太陽光発電ですが、メガソーラーの場合一箇所に大量のパネルが集中しているために、天候の影響を受けやすいという問題があります。
データで見るメガソーラー | 扇島太陽光発電所


扇島太陽光発電所2013年5月10日 扇島太陽光発電所2013年5月11日

太陽光発電短時間に急激に増えたり減ったりすると停電の原因にもなりますから、他の発電所等で調整可能な量しか受け入れられない、という点は太陽光発電を考える上では外せない基本的な部分。当初から言われていた課題でしたが、早速カベにぶつかることになりました。

さらに北海道の場合は、寒くなって暖房需要が増える冬場が電力消費のピークです。逆に太陽光の発電量はといえば、春先から夏場にかけて多く、冬場になると 減ってしまう傾向もあります。北海道にメガソーラーばかり増やしては、春には電気があまり、肝心の冬場には電気が不足する状況を作り出すことになります。

北海道は風力発電にちょうどよい風があるということで、そっちを優先するという意味もあるようです。風力発電も発電量の変動は非常に大きいので、先に太陽光発電に調整力を取られてしまうと、風力用の調整余力が無くなってしまうので。

まあ北海道では冬場にもそれなりの発電ができる風力発電を優先する方がいいでしょう。

そして今後の対策として、まず経済産業省が296億円の税金投入して6万kWの蓄電池を設置する。さらに、メガソーラー事業者には蓄電池の設置を義務付ける。そして春先など電気が余る時期には、メガソーラーの出力を抑制することになるようです。

これらの対策で電力の安定は保てるし、対策コストも最小限で済むので、消費者によっては良い方向です。これでもうけが減る業者は文句を言ってきそうですが。
経産省、無制限で太陽光発電抑制-北海道電の要請可能に:日刊工業新聞



競争入札で買い取る業者を決めればよかったのでは


実際に買い取られるかどうかは、申し込み順で早い者勝ちということになっているようです。公平さを考えるなら、早いもの勝ちよりはくじ引き抽選で決めてもよかったでしょう。最初から受け入れられる量に限界があることはわかっていましたし。

あるいは、競争入札みたいに一番安い価格で買取申請したところから順番につないでいく、という手もありました。

太陽光発電は一律42円/kWhで20年間の買取、ということになっています。その条件で買取申込が殺到するのですから、42円はやはり高すぎたということでしょう。特に土地の安い北海道では。

最初から受け入れに限度があることはわかっていましたし、これだけ業者が集中しているのであれば入札での競り合いにしておくことで、42円より安い価格で入札する業者が出る可能性はかなり高いでしょう。

入札限度額は42円にしておけば、少なくとも42円以上に高い価格で入札することはできませんし。入札にすれば必ず安くなるという保証もありませんが、少なくとも高くつく心配はありません。

まあただの思いつきなので、実際にうまくいったという確信もないですけれども。そもそも法律で全量買取と決められているので、政府や電力会社の判断で勝手に競争入札にしたりはできませんし、北海道についてはもう手遅れなので、何を言っても後の祭りです。



買取の申し込みが殺到したら買取価格を引き下げる、ドイツの新制度を参考に


太陽光発電の買取で電気代が上がりすぎて困ったドイツでも、入札と似たような仕組みに変えています。フランスだかイギリスも、似たような仕組みの買い取り制度になっています。

申し込みが殺到して目標の買取量をオーバーした場合は、買取価格を後からでも引き下げられるようになっています。実際に、制度が改定された直後の2012年11月にも引き下げ条項が発動して、買取価格を合計2.5%ほど引き下げいます。
Einspeisevergütung für PV-Anlagen sinkt um 2,5 Prozent

すでにドイツでは太陽光発電の買取が増えすぎて電気代の高騰を招いてしまったので遅きに失した感もありますが、それ以上負担が増えないように抑える制度に変えたわけです。

それがなぜか日本の買取制度は、改定される前のドイツの古い制度に近い形の、こういう欠陥の多い制度のままです。当時の総理大臣が辞任の条件だと言い出し て、十分議論しないまま制度が始まったという事情もあるでしょう。

どうしても見切り発車にならざるを得なかったという理由はあるにしても、負担が膨らまな いうちに制度を整備する必要があります。今こそ「ドイツを見習え」って言うべきなんですが。



電気代を財源にした自然エネルギー公共事業


再生可能エネルギーの固定価格買取制度というのは、国が主導する事実上の公共事業みたいなものです。公共事業の代金を税金から払うか、電気代で発電業者に払うかの違いはありますが。

その点、普通の公共事業だと費用対効果などをうるさく言われ、「随意契約はケシカラン」とか「一般競争入札にしろ」と言われそうなものです。

しかし事実上の公共事業である自然エネルギーに対して、そういう指摘はあまり聞こえてこないのが不思議なところ。公共事業のムダを指摘する人も、なぜか自然エネルギーのムダには甘いみたいです。

財源の面を見れば、再生可能エネルギーの負担金は電気の消費量に比例する形で課されるので、電気消費税のようなものです。電気の消費量に応じた負担であるがゆえ、負担の重さが所得に対して逆進的だという問題もありますから、できる限り負担を小さく、成果は大きくする必要があります。

北海道の例で言えば、受け入れ限度の40万kW分のメガソーラーの募集を、できるだけ少ない負担で済ませられるようにしなければいけなかった。競争入札でも何でもいいので、もう少し効率よくできるような仕組みに出来ないものかと思うところ。

もちろん安ければ何でもいいというものでもなく、経営状態に問題のある業者や、下請けイジメて安く済ませるみたいな業者には注意が必要ですが。その辺も公共事業と同じです。
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タグ : 再生可能エネルギー 太陽光発電 

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