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外国製メガソーラーにWTOのお墨付き、もう太陽光発電は住宅用だけでいい



カナダのオンタリオ州が自国製の太陽電池を優遇していた問題で、日本やEUの主張が認められて、カナダの地元優遇措置がWTOルールに違反することが確定しました。
時事ドットコム:日本、カナダに勝訴確定=太陽光発電制度で差別-WTO上級委

これは逆に、日本に外国製の太陽光発電装置が入ってくることも防いではいけない、ということでもあります。日本でもメガソーラーなどの固定買取制度がはじまっているので、日本が勝ったと喜んでばかりもいられないところです。

たしかアメリカのどこかの州でも同様の優遇策は行われ、それに対して日本などが提訴していたような記憶もあります。とりあえず中国が「アメリカ各州の制度はルール違反だ」と主張しているというニュース。
中国、「米政府の再生可能エネ支援策はWTOルール違反」 | Reuters

ヨーロッパの方ではイタリアやギリシャなどがEU加盟国製の太陽電池を優遇していますが、これに対しても中国がWTOルール違反だと訴えています。
中国、太陽光分野でEUをWTO提訴 イタリア・ギリシャが協定違反と主張 | Reuters

新興国ではインドも自国製品を優遇していましたが、これもアメリカから訴えられています。世界中で自国産業を保護したい国と、逆に売り込みたい国との争いになっています。
米、インドをWTO提訴 太陽光発電の優遇制度で : 日本経済新聞



太陽電池をめぐって世界貿易戦争に発展する


新潟東部太陽光発電所(1号系列)

また別のところでは、アメリカやが中国製太陽光パネルに対して「ダンピング(不当廉売)だ」として、2012年後半から報復関税をかけています。
米ITC、中国製太陽光パネルへの関税適用を最終決定 | ワールド | Reuters

さらにちょうど今日のことですが、EUも中国製太陽電池に対して同様の判断を下し、報復関税の発動を決定したということです。
欧州委、中国製太陽パネルに反ダンピング課税発動で合意=当局者 | Reuters

太陽光発電をめぐって訴えたり訴えられたりの、全世界規模の貿易摩擦に発展し、なかなか大変なことになっています。

ほんの数年前には、ドイツやイタリアなどEUを中心とした補助金の大盤振る舞いで成長した欧米の太陽光発電メーカーでしたが、その後は補助金削減と中国メーカーに押されて敗北。

かと思えば、需要低下は中国メーカーも直撃し、一時期は世界一に躍り出た中国のサンテックも破産するわでボロボロ。業界はどこもリストラに次ぐリストラで、生き残りに必死です。

そういう中ですから、自国産業を少しでも保護しよう、有利にしようとする動きが強まって、貿易摩擦に発展するのは必然だったのでしょう。できれば日本は巻き込まれたくないものですが。



日本でもメガソーラーの8割は中国など海外製、外資系企業も参入


もちろん自由貿易のルールからすれば、自国製品の優遇を許さないWTOの裁定は当然のことでしょう。これが普通のビジネスで、買いたい人が買うだけなら、海外製だろうが外資系だろうが好きなものを選べばそれでいい。

ただし現在の太陽光発電ビジネスの問題は、それが公的な助成制度によって支えられている、という点にあります。

太陽光の電気を通常の何倍もの高値で買い取ったり、その他諸々の補助制度も含め、すべてその国の国民に負担がかかってきます。たとえ負担がイヤでも、逃げる事も出来ません。

そうやってドイツのように電気代が上がり続けて負担は増えるのに、その儲けが外国製のソーラーパネルや、外国資本企業の利益として国外に流出していった時、果たしてメガソーラーへの補助を国民が支持し続けてくれるのかということです。

日本もかつては国産太陽電池100%の時代もありましたが、住宅用太陽光発電の余剰買取制度がはじまったあたりから海外製品が増え始めます。さらに商業用のメガソーラーまで高値で買いとられるようになって、メガソーラーの場合はすでに太陽パネルの8割は海外製になってしまいました。
中国系メガソーラー、続々と東北進出 国産後退、エネルギー安保に影+(1/3ページ) - MSN産経ニュース

おまけに外国資本の企業も補助金目当てにメガソーラー事業に進出してきていて、収益が海外資本に吸い上げられると、ますます日本側の取り分が減ってしまうことになります。
中国系企業、北海道でメガソーラー事業拡大 :日本経済新聞

ただでさえ資金調達力のある大手企業が売電で利ざやを稼ぐばかりで、地元の雇用に繋がらないと定評のあるメガソーラーです。これではいったい誰のために高い電気代を払わされているのかわかりません。


東北の工場立地面積4倍、雇用効果は未知数 : ニュース : ジョブサーチ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 一方、メガソーラーは建設してしまえば維持管理がわずかで済み、雇用が生まれにくい面もある。電気業13件の雇用予定はわずか12人と、東北全体(3134人)の1%にも満たない。



海外製の多いメガソーラーの補助金をカット、国内製の多い住宅用だけ補助する


そういう視点で見れば、カナダやイタリアがやっている地元企業の優遇策というのは、地元に経済的な恩恵を増やす事により、電気代上昇などの負担増に対する不満を抑える効果があったわけです。

しかしWTOのルールで海外製のソーラーパネルや海外資本が入ることが防げないとなると、国民の不満を抑えるには負担を減らすしか方法はありません。

具体的には、商業用メガソーラーへの補助を大幅にカットしてしまうこと。

実際EU方面での太陽光発電の補助金削減では、住宅用などに比較的補助を残す一方で、商業用のメガソーラーへの補助はバッサリカットしています。ドイツでは10メガワット以上は補助なし。

幸いな事に、日本国内の住宅用太陽光発電市場は国内メーカーがまだまだシェアを持っているようです。(国内メーカーでも工場は海外にある、なんて場合もありますが)
太陽光発電システム2012年のメーカー別シェア(住宅用) | ソーラービジネス

この状況をうまく利用して住宅用に補助を絞ることで、WTOルールに違反しない形で自然と国内企業を優遇することができるかもしれません。あくまで消費者が自分の判断で国産ソーラーを選んでいるだけですから、アメリカだろうと中国だろうとWTOだろうと文句は言えません。

もちろん家庭用でも競争が激化すればどうなるかわかりませんが、うまくいけば国内でお金を回すことも可能でしょう。電気代の上昇も抑えられるので一石二鳥です。

しかし日本ではなぜか買取価格は住宅用も家庭用も同じです。むしろ、住宅用は余剰買取(家庭で使って余った分だけ高く売れる)に対して、メガソーラーは全量買取(発電した分はすべて高く売れる)である分だけ、メガソーラーの方が有利な設定になってしまっています。

個人的にはメガソーラーを優遇することなど百害あって一利なしという極端な考えを持っているので、メガソーラーは補助なしで自力で利益出せるようになってからがんばってくれれば理想的です。どうしてもということなら、少しくらいは補助してもいいですけど。

そんなわけで、太陽光発電の補助制度は住宅用やオフィスや工場などを中心として、自家消費需要を推進するべきと思います。


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タグ : 再生可能エネルギー 太陽光発電 中国 アメリカ 

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