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オートローテーションありやなしや? MV22Bオスプレイのまとめ2



一部ではオスプレイはオートローテーションができないから危険なのだ、という説もあります。ということでMV22Bオスプレイのまとめ、その2。


オートローテーションとは?


エンジンが止まった場合など、ローターブレードに風を受けて自動回転(オートローテーション)で揚力を生み出すこと。グライダーや飛行機が固定された翼に風を受けながら滑空するのと同じで、ヘリの場合は回転翼を利用する。

オスプレイにはオートローテーションが弱いのだという話があります。条件にもよりますが、オスプレイのオートローテション時の最大降下速度が90km/h。CH46だと64km/hですから、オスプレイの方がやや劣る。
先日のニュースジャパンでのCH-46のオートローテーション降下速度は誤り

1分あたりの降下率になおせば、オスプレイは1.5km/分=1500m/分。一部で報道されていた「1分で1525mも落ちる」という数字の根拠ですね。CH46でも「1分あたり1066mも落ちる」ことになりますが。

普通のヘリなら回転翼しかないので、飛行中はいつでもオートローテーションが必要になる可能性がありますから、オートローテーション能力が重要になるのでしょうが。

オスプレイはヘリコプターではなくティルトローター機なので、回転翼だけでなく固定翼もあります。飛行中の大部分はプロペラ機に近い状態で飛んでいるので、回転翼を使ったオートローテーション機能が必要になる場面自体が少なくなります。

逆に固定翼しかない普通の飛行機なら、オートローテーション能力は低いどころかゼロです。しかし、それで「危険だ!」という話にはなりません。固定翼を使った滑空ができるからですね。
オスプレイはオートローテーションできないから危険、、、、



オートローテーションさえあればどんな状況でも安全に着陸できる?


もともとオートローテーションは100%成功するようなものではなく、アメリカ陸軍のヘリではせいぜい50%がいいところだそうですが。
ヘリコプター操縦指南(6) 着陸とオートローテーション

実際に、2004年に沖縄国際大学に墜落したCH53Dスタリオンは、テイルローターが壊れてオートローテションで降りてきました。しかし結果的には着陸に失敗。人のいない場所に落とす事には成功したので、ヘリの乗員が怪我しただけでしたが。

2007年には、NHK新潟支局がチャーターしていたユーロコプターEC135のテイルローターが壊れて墜落した件もありました。ヘリのオートローテーション能力が高ければ100%安全に降りられる、なんてことありません。




デッドマンズカーブ
Height--velocity diagram - Wikipedia

上図は、縦軸に対地高度(フィート)、横軸に対気速度(ノット)をとったH-V曲線、デッドマンズカーブ等とも呼ばれるものです。H-V曲線は機種によって違いますが、これはBell204Bのもの。自衛隊や米軍でUH-1として採用されている中型のヘリコプターです。

グラフの赤い部分にあたる高度と速度の組み合わせで飛んでいる時にエンジンが止まると、オートローテーションでの着陸が難しくなります。

たとえば対気速度が50ノット以下の範囲だと、地上すれすれを飛ばないと危ないことになります。あるいは対気速度が0ならば、高度800フィート以上でないとオートローテーションはうまくいかない、といった具合。

あとえば離陸した直後・着陸する直前など速度を落とした時に、高度が低く赤い領域に入ってしまった場合、そこでエンジンが停止すればオートローテーションに失敗して墜落します。

できるだけそういう危険がある速度と高度での飛び片はしない、ということが大事になるわけですね。オスプレイでも一定の高度と速度であれば、オートローテーションでの着陸も成功するとなっています。
オスプレイ:オートローテーションで結論



双発機でエンジンが両方止まる確率は100億時間に1回


オスプレイにはエンジンが二つあるので、もし1つが止まっても、もう片方のエンジンが生きているうちに予防的に着陸すれば問題ありません。

国際ヘリコプター協会のまとめた民間のヘリコプターの事故率で見ても、エンジン二つ以上の事故率はかなり低くなっています。

エンジンを2つ積めばその分だけ機体は重くなり、オートローテーションによる着陸の成功率は下がることになります。しかしそれで事故率が上がったりはしません。

エンジン1つの単発機にとってオートローテーションは唯一の命綱ですが、双発機では2つ目のエンジンが命綱として存在していることになります。

単純に考えれば2つが同時に故障する確率は、1つが故障する確率の2乗で小さくなります。オートローテーション能力よりも、エンジントラブルの確率を減らせる事の方が重要なわけですね。

ただしエンジンが二つ以上あるヘリコプターでも、先のCH53DやEC135などテールローターの故障でオートローテーションが必要になる場面は割とあるようです。しかしCH46やオスプレイなどテールローターがないタイプには関係ありません。


Accident Rate per 100,000 Hours Flown
1st quoter20122011201020092008
Single Engine Turbine 単発2.962.392.682.992.41
Multi-Engine Turbine 双発0.851.731.790.800.00
Reciprocating レシプロ機4.968.204.767.105.11
COMPARATIVE U. S. CIVIL HELICOPTER SAFETY TRENDS

オスプレイのロールス・ロイス社製エンジン二つが同時に止まる確率は、10のマイナス10乗(100億時間に1回)とされます。実際に、10万飛行時間以上飛んでいてもオスプレイのエンジンが2基とも停止することはまだ起きていません。
MV-22オスプレイオートローテーションについて

もちろん、これから起きる可能性は0ではなく、10の-10乗ですから0.0000000001くらいの確率で起きることになります。10万飛行時間あたりの事故率でいえば、0.00001くらい影響がある

エンジン出力喪失時、他の軍用ヘリならオートローテーションによる着陸の成功率はせいぜい50%ということでした。一部の主張どおりに、オスプレイの緊急着陸の成功率が0%だとしても、事故率の差は0.000005しか変わりません。

実施には、オスプレイは固定翼を利用した滑空も可能であり、オートローテーション能力が劣るといっても一応はありますから、エンジン停止しても100%墜落する訳はないでしょうが。

さらに念のために、2つのエンジンが同時に停止する確率を1万倍くらい高めに見つもって100万時間に1回起きるとしても、事故率の差は0.05です。

ちなみに海兵隊の航空機の事故率は10万飛行時間あたり2.45、オスプレイの同事故率は1.93でした。どんなに大きく見積もっても、事故率への影響は小さすぎて見えないほど。

オートローテーション機能があるとかないとかいう話が、いかに針小棒大に語られているか、木を見て森を見ない議論かというお話でした。


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タグ : アメリカ 

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