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日本は地方分権が進みすぎ? 国の歳出66兆円、地方自治体94兆円



歳出の比率は4:6で地方自治体の方が多い

第1部 平成22年度の地方財政の状況 1地方財政の役割
 この歳出純計額を最終支出の主体に着目して国と地方とに分けてみると、国が66兆1,596億円(全体の41.3%)、地方が93兆9,243億円(同58.7%)で、前年度と比べると、国が7.2%減(前年度15.0%増)、地方が0.9%減(同7.1%増)となっている。

地方財政白書から、平成22年度の決算状況。国と地方自治体(都道府県と市区町村)の歳出に占める割合で見ると、国41%:地方59%となっている。

年度によって多少の変動はありますが、だいたい国の歳出が4割に対して地方自治体の歳出が6割となります。

国と地方の使っているお金で見ると、すでにアメリカやドイツなどの連邦制国家(州政府が強い権限を持つ国)と同じくらいの予算比率になっている。
米英独仏における国と地方の財政関係[PDF]

財政移転後歳出比 国:地方
日本 38:62
アメリカ 46:54
イギリス 73:27
ドイツ 40:60
フランス 58:42
※表の日本の値は2008年(平成21年度)の予算ベースなので多少数字がずれている。

日本の地方分権的な制度は、戦後すぐのシャウプ勧告にはじまる。地域でできることは地域に任せる。出来ないことだけを、より上位の自治体や政府に任せる、という考え方に基づいている。
補完性原理 - Wikipedia


国は赤字を出して地方に財源を配分する

3 地方財源の状況
 次に、租税を国税と地方税の別でみると、国税43兆7,074億円(対前年比8.6%増)、地方税34兆3,163億円(同2.5%減)となっている。租税総額に占める国税と地方税の割合は、第25図の とおりであり、国税56.0%(前年度53.4%)、地方税44.0%(同46.6%)となっている。

入ってくる税収の方を見ると、税収は国56%:地方44%となっている。ただし国に入ってくる税収は地方交付税などが含まれている。これは国が集めた税金を、一定の算定基準に基づいて各地方自治体へ分配しているので、最終的には地方の税収となる。

その結果、最終的な国と地方の税収の比率は30%;70%と逆転する。

また、地方交付税、地方譲与税及び地方特例交付金等 を国から地方へ交付した後の租税の実質的な配分割合は国30.8%(同30.0%)、地方69.2%(同70.0%)となっている。なお、国税と地方税の 推移は、第26図のとおりである。

使っているお金の方は4:6だったのに、入ってくるお金は3:7。さらに国が少なく、地方が多くなっている。景気の悪化で税収が減ったことも影響して、国が集める税金は減っている。

しかし地方に配る交付税は減らせない。むしろ地方の税収減を補うため、交付税が増える場合もある。国は赤字を出してまで、地方交付税を地方に回している状態にある。

「地方に財源を委譲しろ」という話はよく聞かれるが、その場合この赤字分も委譲してしまうことになるので、地方全体としては財政状況が悪化する。

実際、小泉内閣の時の地方への財源委譲(いわゆる三位一体の改革)では、地方交付税の削減分よりも、地方に委譲された税額が少なかった。交付税の赤字もそのまま地方に委譲されたような形になっている。
三位一体の改革 - Wikipedia


財源の委譲は地域によって「財源の没収」になる

地方分権に絡む話で、「地方交付税を廃止して、消費税を地方の財源に」という主張は昔からある。消費税収は比較的安定しているが、それでも地域による税収の差は大きくなる。

東京、神奈川、大阪、愛知などは20%~30%の税収増となる。その一方で、沖縄、秋田、鳥取、徳島、島根、高知などは25%前後の税収が減ってしまう。
地方分権化と規制緩和

地方分権で財源委譲するはずが、かえって財政が苦しくなる自治体も出てくる。「地方分権」という抽象的なキーワードに反対する人は少ないが、財源の委譲などの具体的な話になると、賛成・反対がいろいろ出てくる理由はそこにある。

消費税などを地方の自主財源にして権限も渡して自己責任を明確にする、という意味では明快でわかりやすい。

しかし福祉や教育、消防や警察など、地域ごとに極端な差が出ると問題になる場合もある。地方交付税の配分方法をいじるにしても、ある程度は財政調整機能が必要だろう。
4 地方経費の内容

ドイツでは地域ごとの財政格差を調整して分配されるシステムがあるが、アメリカの場合は財政を調整する仕組みはほとんどない。このあたりはお国柄の違いもある。

アメリカのように徹底した自主財源主義も、行き過ぎればカリフォルニア州政府のような財政破綻状態を招く。結局はアメリカ合衆国政府が、間接的な地方政府の救済に乗り出す事態になっていた。
アメリカの「州財政独立制度」が破綻をきたす


地方の声に左右される国の政治

民主党がマニフェストで宣言していた「八ツ場ダムの建設中止」だったが、地元6知事の要望もあって建設再開に方針転換した。
八ツ場ダム建設再開表明 国交相、地元町長にも伝達

また、沖縄県のアメリカ軍普天間基地の辺野古沖への移設中止も覆して、現行案どおりとした。しかしこちらは逆に地元自治体の反対で進められなくなっている。
(どちらの問題も政府側の不手際、という面もある)

良くも悪くも、政府の方針を覆すくらい地方自治体の声は強い。しかし地域の利益を最大化するための行動が、国全体としての利益につながるとは限らない。

地方自治体の首長や議会議員は地域の利益の代弁者だし、国家議員も各選挙区で選ばれている。大抵の政治家にとっては地元の有権者が一番大事だし、有権者の方も地元の利益を優先してくれる政治家に投票するだろう。

地方分権化を進めても進めなくても、外交や防衛やマクロ経済は国の仕事になる、とされる。たとえば防衛上の重要問題である普天間基地の問題を進めるために、地方の反対を押し切らなければいけない場面も出てくるだろう。もちろん最大限の説明はするにしても。

こういった場合に、地方から権限を取り上げて、中央に集中させるべき分野もあるはずだが、そういう意見はあまり聞かれない。「国は地方のことに口を出すな」というのであれば、逆に「地方が国の仕事に口出しする」こともできなくすべきでしょう。

分権というのは、そういった役割分担の明確化のこと。地方”主権”とか地域”主権”という言葉を使う人たちは、ちょっと違う考えを持っているかもしれませんが。


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タグ : 地方分権 財政 

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