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スペインが風力太陽光など全ての再生可能エネルギーへの補助金を停止



フィードインタリフ債務削減のために、固定買取価格の上乗せを停止

先日ドイツが太陽光発電の全量買取を終了することが決まりましたが、スペインでは太陽光バブルの反省から太陽光発電の買取量に上限をつけていたので、すでに全量買取ではなくなってしました。

今回スペインはさらに、太陽光発電、風力発電、コジェネレーション(発電時の熱も利用するシステム)、ごみ発電(バイオマス発電)なども含め、すべての再生可能エネルギーの買取助成金制度の新規適用を凍結することになりました。
スペイン、再生可能エネルギーへの助成停止も[公益]

再生可能エネルギーの全量・固定価格買取制度(フィードインタリフ:FIT)によって生じたスペイン政府の債務を削減するため、ということのようです。FITによって生じた2兆5000億円(240億ユーロ = 310億ドル)の債務が解消されるまでは、買取価格の上乗せは再開しないそうです。
スペイン 310億ドルの債務を抑制するため再生可能エネルギー助成金を停止(原文は英語)


太陽光発電バブルで、多額の支払い債務をかかえているスペイン

スペインで発生したの太陽光バブルの事例では、再生可能エネルギーで発電された電気について、電力会社に市場価格よりも高く買い取ることを義務付けていました。このときの買取価格の設定が高すぎたため、太陽光発電などへの投機バブルが発生することになります。そのため買取義務のある電力会社は、再生可能エネルギーの全量買取コストを負担しきれなくなります。

その一方で、スペインでは政府が電気料金を統制していたため、電気料金は安いままに抑えられました。再生可能エネルギーの買取コスト上昇分を値上げできず、買電価格と消費者への売電価格の差額がそのまま赤字となり、莫大な負債が発生することになりました。

このあたりの事情は、韓国の電力事情などにも共通する部分がありますし、日本も他人事ではなくなりつつありますが。

スペインがFITのために支払うべき債務額は、電力システム全体で210億ユーロ(2兆2000億円)とされていました。さらに最低でも、毎年30億ユーロ(3000億円)を超えるペースで債務が発生すると予想されていました。
(すでに今回の記事では240億ユーロに増加している)

固定価格での買取制度では、再生可能エネルギーの電力が長期間(スペインの場合25年~28年)、高い価格で固定されたまま買取られ続けます。

そのため、今後20年以上にわたって、太陽光発電を設置した家庭や投資家などから高値で買い取り、支払い続けていく必要があります。スペインではこれが「タリフ債務(tariff deficit)」と呼ばれているようです。

現在はスペイン政府が債務を一時的に肩代わりし、電力会社が返済を続けています。もちろん電気代金に跳ね返ってくるので、最終的には電力消費者であるスペインの企業や国民の負担となります。


高すぎた買取価格が、再生可能エネルギー普及の障害に

スペインの場合はユーロ圏の財政危機の中心ということもあって、資金の調達に苦労する状況です。そのため、少しでも債務を減らして、金利負担を軽くしたいという判断が働いています。

FITという制度は、普及を促すことで再生可能エネルギー価格を下げる、ということを目的にしています。しかしスペインのように買取価格が高すぎると、まだまだ高い時期に大量に増えてしまうことになり、負担額だけが一気に膨らんでしまいます。

多額の債務は、「クリーンエネルギー技術の適切な開発のための障害」になっています。高すぎる価格が最終的に消費者の負担になり、ビジネスや生活の余裕をうばってしまうと、再生可能エネルギーを高値で買い取るだけの余裕も無くなってしまいました。

最初は急激に増やしておいて、後で余裕がなくなって一気にしぼんでしまう。再生可能エネルギーの安定的・持続的な普及にとって、そして国民負担の面からも、最悪の結果となりした。


あまり報道されないマイナス情報

ドイツやスペインが再生可能エネルギーを導入量が増えた、成功した、という話はこぞって取り上げられます。が、ドイツやスペインが補助金を削減していること、全量買取制度を修正・廃止・停止していることはほとんど伝えられません。

日本の大手では、時事通信がドイツの買取価格引き下げを伝えていたのが唯一といってもいいくらい。
独政府、太陽光発電の固定買い取り支援をさらに削減

今回の買取停止についても、いまだ日本語ソースがほとんどないので、ブルンバーグの英語記事を適当に翻訳。

スペイン議会、再生可能エネルギーへの補助金を停止
Feb 10, 2012 6:28 PM GMT+0900

マリアーノ・リジョイ首相が提案した「新しい再生可能エネルギープロジェクトのための補助金を停止する政令」を、スペインの議会が承認したと、シンコ·ディアスが報じた。

与党・保守人民党は賛成票を投じ、3つの小政党が棄権、野党社会党を含む残りのグループは反対した、とスペイン通信(EFE)は伝えている。

エネルギー大臣ホセ·マヌエル·ソリアは、太陽光や風力エネルギープロジェクトへの市場価格以上の支払いを終了する目的について、「クリーンエネルギー技術の適切な開発のための障害となっている、スペインのタリフ(全量買取制度)の負債の削減をすすめるため」と述べている。

またソリア大臣は、「電力料金が過小だったために発生した、240億ユーロ(320億ドル)の負債が解消されるまで、グリーン電力への買取価格上乗せの中止は続くだろう」と述べたと記事は伝えている。

英語版bloombergの原文
Spain’s Congress Ends New Renewable-Energy Subsidies, Cinco Says

※3月16日の朝日新聞に「太陽光発電 ドイツ曲がり角」という記事が載ったようです。プラス面ばかりでなくマイナス面も含めて検証できる記事を書いてくれる立派な記者もいる。

389 :名無電力14001:2012/03/16(金) 18:17:59.03
今朝の朝日の国際面「太陽光発電ドイツ曲がり角」って記事で面白いなと思ったところを

「太陽光発電の発電量は全体のわずか3%なのに、
再生可能エネルギー法賦課金からの補助金の半分が太陽光に使われている」
レスラー経済相はそう主張する。
賦課金は電気料金に上乗せされ消費者が負担している。上乗せの額は毎年のように増え、
国際的に見て高いドイツの電気料金の一因となっている。

DPA通信によると、ドイツの家庭は年間平均約70ユーロ(約7595円)を太陽光発電買取のために負担。
だが、太陽光の実際の発電量は(他の自然エネルギーほど)伸びていない。
緯度の高いドイツは日照時間が短く、冬は厚い雲に覆われ、太陽光発電の適地とは言いがたい。

自然エネルギー促進論者からも「(太陽光発電は)非効率」の声が出ていた。

手厚い買取制度によりドイツのソーラー産業は成長産業となったが
急速な普及とともに中国メーカーの進出も拡大、ドイツ企業は価格面で太刀打ちできずに倒産、経営悪化に追い込まれている。
2007年にシャープを抜いて太陽電池生産で世界首位に立ったQセルズは、
業績悪化で累積赤字が8億4600万ユーロ(約918億円)に達した。
最近は導入される太陽光パネルの7~8割が中国産とされ、
「国(中国)の補助で不当に安い価格で販売している中国企業を潤している」という批判もあった。
今回の制度見直しで、ドイツのソーラー産業界はさらに打撃を被る懸念も指摘されている。

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タグ : 再生可能エネルギー スペイン 太陽光発電 風力発電 

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