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ドイツが太陽光発電の全量買取制度を終了 2017年には補助金全廃も



過熱する太陽光発電の補助金をカット

ここ数年、太陽光発電の買取価格をどんどん引き下げていたドイツ。ついには太陽光の全量買取そのものをやめてしまうようです。発電量の10%から15%分は固定価格での買取をしない、ということなので8割買取とか9割買取とでも呼べばいいのでしょうか。
独、太陽光全量買取13年廃止へ 買取負担重荷に
ドイツが太陽光発電の過熱を制限するため、過去最大規模の補助金カットを立案(原文は英語)

また、1万キロワット(10メガワット)以上の大規模な太陽光発電所(メガソーラー)は、7月1日で買取制度から完全に外されます。NNAの記事では1万メガワット(10ギガワット?)となっていますが、これは誤植。

買取価格自体もさらなる引き下げとなるようで、当初は7月に15%の引き下げ予定だったものが、住宅用20%~大規模事業用30%と倍の引き下げ幅に。価格変更の時期についても、7月1日→4月1日→3月9日と、どんどん予定が繰り上げられています。
【ドイツ】政府、太陽光発電への助成を大幅削減 (NNA)

急激な買取価格の引き下げ幅・スケジュール変更などからも、ドイツの太陽光発電導入政策の迷走ぶりが見えてきます。

※その後、業界団体などの反発を受けて4月1日からに再変更とさらに混乱→ドイツ連立政権の補助金削減が投資家の反対で遅れる(原文英語)


”脱太陽光”に舵を切るドイツ

補助金カットと太陽光発電の導入量目標引き下げの理由について、ドイツ環境大臣は「コストの増加を抑えることと、電力網の安定性を守るため」としています。
ドイツは議会の決定なしに補助金カットする権限をメルケル首相に与える(google翻訳)

ドイツではFITによる電気料金への上乗せが、すでに電気代のうち15%近くを占めています。また、ここ数年は再生可能エネルギーの大量導入によって電力網が不安定化していて、昨年はお隣チェコの電力網にも影響を与えるほどでした。
ドイツの教訓に学ぶ ~太陽光発電バブルの理想と現実~

そのため、今後は太陽光発電導入量の目標も大きく抑制されます。2012年と2013年は、2.5ギガワット~3.5ギガワット程度を目標にしています。これは2010年と2011年の実績の半分以下の数値。

その後さらに毎年の目標値を0.4ギガワットずつ減らしていき、2017年の年間導入量を0.9ギガワット~1.9ギガワット程度まで減らす予定です。

そして2017年には、太陽光発電への買取価格の上乗せ補助金制度そのものを終了させることも視野に入れているようです。
太陽光補助金カットを早めるというドイツの宣言を受け、太陽光関連株は急落(英文)


ドイツFIT制度は導入量のコントロールに失敗

今までのドイツの制度では、固定買取価格の設定は「6ヶ月ごと」でしたが、これが「1ヵ月ごとの見直し」に変更されます。今後2017年まで、毎月0.15ユーロセントずつ買取価格をカットしていく予定。

価格の改定が半年ごとでは、切り替えの前後たった1日の差で、買取価格が大きく変わってしまいます。その結果、膨大な駆け込み需要が発生する事態を招いていました。
独の太陽光パネル設置、助成への不安から駆け込み需要

こうした制度上の不備から、昨年2011年のドイツ太陽光発電の導入予定は3ギガワットでしたが、実際に設置されたのは2.5倍の7.5ギガワットにもなりました。このうち3ギガワット分の申請が、価格変更直前の12月、たった1ヶ月間に集中するという異常事態でした。

2010年もほぼ同じような状況で、3ギガワットの予定に対して、実際の設置容量は7.4ギガワットでした。こうした導入量の制御失敗が、電気料金上昇などの弊害につながっています。


ソーラーバブルを引き起こした投機への対策

また、「目標値からかけ離れた実績となった場合は、省令によって買取価格を修正できる」という条項もついています。これは事実上の導入量の上限設定。増えすぎれば価格を引き下げるぞ、という太陽光の投資家(投機家)へのけん制になります。

予定を大幅に越えて設置容量が増えてしまった場合の、負担軽減策でもあります。ドイツの買取制度では、20年間は同じ買取価格に固定されます。そのため、予定より太陽光発電が大幅に増えてしまった場合には、予想以上の電気代への負担も20年続くことになります。

スペインやイギリスでも、太陽光が増えすぎて電気代の負担が増えたために、後になって買取価格を引き下げようとしました。しかし、法律に引き下げについての規定がなかったために、太陽光発電に投資していた企業などから訴訟をおこされています。


大混乱のソーラーパネル市場

ここ1~2年はドイツ以外にも、イギリス、フランス、イタリアなど相次いで買取価格を引き下げていました(スペインに至っては固定価格買取制度そのものを停止)。そのためソーラーパネルの需要が急減して売れ残り、しかたなく安値で売りさばく事態になっています。

中国や台湾はじめ人件費の安い国の参入もあって、昨年1年だけでパネル等の価格が46%も下落する大暴落を引き起こしています。またソーラーパネル用シリコンウエハーは、1年で70%もの値下がりとなっています。
SUMCOが国内工場再編 太陽電池用シリコンウエハー事業から撤退
2011年Siウェハー価格の推移


その結果、ドイツのソーラーパネル業界をはじめ、欧米のソーラーパネルメーカーは次々と破綻しています。日本でもソーラー関係の企業は収益が大幅悪化、中国系ソーラーメーカーも全社が赤字という惨状です。

さらに今回の廃止の計画が報道されると、太陽光関連企業の株価も急落。中国のサンテックはじめ、カナディアンソーラー、ソーラーワールドの株価は、発表後1日だけで5%~10%ほど下落。地元ドイツの企業は、2012年に入ってからConergyが67%、Qセルズは41%と、株価も半額の大暴落状態に。

太陽光関連の企業や業界団体にとっては死活問題なので、ドイツ政府の決定に抗議しています。しかし、導入量が増えすぎた分、消費者の電気代に転嫁される金額も予定額をオーバーしていますので、当然の決定でしょう。


太陽光発電のメリット、デメリット

太陽光には、他に使い道のない住宅の屋根などを有効活用して発電できる、発電時にCO2を排出しない(ただしパネルの製造時にはCO2が出る)、などのメリットがあります。

しかし、太陽光発電は発電効率があまりよくないので、もっとも高コストな発電方法でした。そのため、発電量が少ないわりに買い取り費用だけが膨大になってしまい、FIT費用だけで電気代に13%以上上乗せされ、ドイツでは電気料金の値上げに苦しむことになります。
先人に学ぶ~ドイツの太陽光発電導入政策の実態~

また、お日さま任せという発電の仕組みの宿命として、発電量が安定しません。季節や時間帯による発電量の変化はもちろんですが、少し雲がかかっただけでも発電量が半分程度に落ちてしまいます。もし雨が降れば、1割以下しか発電できません。
ソーラーパネルの発電量変化
産総研:太陽光発電研究センター 「実環境における発電量」


見過ごされていた太陽光発電のコスト

太陽光発電の不安定さを補うために、火力発電や水力発電など発電量をコントロールして全体のバランスを取り、電圧を安定させる必要があります。

しかし火力発電は自動車のエンジンと同じで、発電量を急に上げたり下げたりすると燃費が悪くなってしまい、余分に燃料費がかかります。これが2006年時点で年間5.9億ユーロ(当時のレートで750億円)となっていました。その後、ドイツの太陽光発電の導入量は数倍に増えていますので、バックアップ費用も増大しています。
ドイツは間違った 全量固定価格買取制度(フィード・イン・タリフ)は正反対の結果 [PDF]

また、不安定な電気をたくさん導入するためには、できるだけ広い範囲で電力を融通しあう必要があります。欧州では国同士の電力網をつなぐ、電力系統線がありました。

それでも再生可能エネルギーの導入策で、風力や太陽光などの不安定な電源が急激に増えたすぎたため、さらなる送電線の追加整備が必要になっています。この電力系統線の増強と更新のため、欧州では今後2030年までに22兆円規模の追加投資が必要だとされています。
EU、次世代送電網などエネルギーインフラ整備に22兆円以上が必要

日本の再生可能エネルギー法についても、不安定な電源が増え過ぎた場合には、今後10年で最大20兆円規模の出力調整費用が必要だと試算されていました。買取費用にプラスして、これらも消費者の負担となります。

太陽光発電大量導入に伴う投資額


普及すればするほど上がるコストもある

ソーラーパネル等の太陽電池モジュールの価格は普及すれば下がるとされています。その一方で、不安定な電源の導入量が多くなるほど、系統安定化のための費用は増えてしまいます。

普及を急ぎすぎた場合、系統安定化のための費用増加が、ソーラーパネル価格低下の効果を追い越してしまう可能性が指摘されていました。
系統安定化対策コストを考慮した 日本における太陽光発電コスト見通し

系統安定化コストについてはあまり目を向けられず、パネルの価格が下がったことばかりに目が行きがちです。しかし送電網整備や安定化にかかるコストも、最終的には電気を使う消費者の負担上昇につながります。

太陽光発電には不安定さを補うための追加コストが必要不可欠です。そのため消費者としては追加費用の必要な使いにくい電気、いわば「価値の低い」電気です。価値の低い電気を、高い価格で買わせた上に、あとになって安定化のために追加コストも要求されてしまう。それがドイツの全量買取制度の結果でした。

本来なら、こうした追加コストを差し引いた上で、太陽光発電の買取価格と導入量を考える必要があります。導入のための補助金を減らし、余ったお金を電力系統の増強や、安定化技術の研究・開発にもまわすなど。


「ドイツを見習え!」……?

昨年あたりは特に「ドイツを見習って太陽光発電を増やせ」、「再生可能エネルギーの全量買取制度を導入しろ」と言っていた人たちがたくさんいました。

「再生可能エネルギー法案を通さないと辞めない」と居座った菅直人さん
太陽光パネルを大阪府の全家庭に義務付けようとした橋下徹さん
「200万戸に太陽光パネル設置」を公約にして神奈川県知事になった黒岩祐治さん
おひさまエネルギーファンド代表取締役の飯田哲也さん
メガソーラーで一儲けしようと企むソフトバンク社長の孫正義さん
大量のスパムツイートを送り続けた過激派環境団体グリーンピース

そのドイツ政府が太陽光発電への非効率な補助金に見切りをつけたのですから、当然、「ドイツを見習って、日本も太陽光発電の全量買取をやめるべき!」とおっしゃってくれるものと信じています。


日本の太陽光発電の買取制度

ドイツ全量買取制度の例から、価格設定など条件次第では一気に導入量が増えてしまい、過大な買取費用の負担、電力の不安定化などの追加的なコストという弊害が発生することがわかります。また、ソーラーパネルメーカーなどの関連産業にバブル的な状況をもたらしました。

日本の再生可能エネルギー法では、家庭用については全量買取ではなく余剰買取となる予定でいます。このあたりには、ドイツの失敗の反省点が多少はいかされているのかもしれません。

しかし、発電事業用など出力の大きいものは全量買取となっています。スペインの太陽光バブルなどの事例を見ても、家庭用よりも発電事業用など、規模の大きな太陽光発電(メガソーラー)の方が投機の対象になりやすく、より問題が大きかった。

ドイツの改定案でも、発電事業用など出力の大きい太陽光発電について、より大きく買取価格を引き下げいます。特に10メガワット以上の設備については、買取制度から除外することになりました。この点についても、ドイツを参考にしてほしいところです。

日本の新しい制度の場合、固定価格で買取する期間もドイツよりは短めに設定することも可能です。あとは価格設定を間違えなければ、ドイツのような事態を避けられる可能性もまだあります。買取条件を決定する第3者委員会が、適切な価格や買取期間を算定できるかどうかが、当面の問題です。


独、太陽光全量買取13年廃止へ 買取負担重荷に
2012/02/28

ドイツ政府は太陽光発電の全量買取制度を2013年から廃止することを決めた。 同制度のもとで太陽光の導入量が急拡大し、電気料金を通じた電力消費者の買取負担額が膨らんでいるためだ。 今年4月以降に電力系統に連系する太陽光については13年1月以降、各設備の発電量の10~15%を買取対象から外す。 買取価格は今年3月上旬に数割下げた後、5月以降はさらに毎月引き下げていく。 再生可能エネルギーの導入先進国でも、太陽光の大量導入に伴う費用負担に耐えかねる状況が生じている。 日本で進むエネルギー政策の見直し論議にも一石を投じそうだ。

ドイツ政府が23日に発表した素案によると、太陽光設備の価格低下にあわせて買取価格を下げ、設備設置が過剰にならないようにする。 全量買取をとりやめ、一部の発電量については自家消費や電力市場での売却を促す。 買取価格の改定前に駆け込みで系統連系に殺到する事態を防ぐため、買取価格の改定頻度を半年ごとから毎月に変える。年間の太陽光設置量には目標値を設け、目標値からかけ離れた実績となった場合は省令によって買取価格を修正できる。 (本紙1面より抜粋)




【ドイツ】政府、太陽光発電への助成を大幅削減

NNA 2月24日(金)9時0分配信
 独政府は23日、太陽光発電への助成金の削減を当初予定の4月1日から3月9日に前倒しして実施するとともに、削減幅を最大で29%とする方針を明らかにした。国内で新設される発電施設が急増しているためだが、太陽光発電の関連作業には打撃となるとの見方が出ている。

 削減幅は発電規模によって20.2~29%となり、助成金の金額は発電量が10キロワット未満では1キロワット時当たり0.195ユーロ、1,000キロワットまでは0.165ユーロ、1万キロワットを超えれば0.135ユーロとなる。また、助成の対象となる発電量に上限を設けるとともに、5月からは助成金の段階的引き下げを従来の半年間隔から毎月に変更する。さらに7月1日から1万メガキロワットを超える発電施設を助成の対象からはずす計画だ。

 政府は、再生可能エネルギーの普及を支援するため太陽光、風力発電エネルギーなどを通常の電力より高く買い取る特別措置を実施しているが、買取価格は徐々に引き下げられていた。今回の案は来週の閣議での検討を経て、議会で審議される。

 ドイツでは、昨年1年間に新たに設置された太陽光発電施設の発電量は合わせて約750万キロワット分と過去最高となった。現在では太陽光発電の総発電量は2,500万キロワットに達している。[環境ニュース]

最終更新:2月24日(金)9時0分




社会経済研究所[SERC] - ディスカッション・ペーパー
系統安定化対策コストを考慮した 日本における太陽光発電コスト見通し


要約

 太陽光発電の導入量に関する最新の想定に基づき、学習曲線を用いて将来の太陽光発電コストを試算したところ、2020年代に20円/kWhを切る可能性はあるが、系統安定化対策コストを加えると、2030年までに30円/kWh前後に留まることがわかった。

 これは、国内の導入速度を速めると、2020年代に発電コストの低下速度が僅かに速くなるものの、導入量の増加に伴い系統安定化対策コストも急増するため2030年までの発電コストは2020年代に比べてむしろ高くなるためである。

 国内の導入支援政策が学習効果を通じて「発電モジュール」価格の低下に与える影響は小さく、「その他システム(いわゆるBOS、バランス・オブ・システム)」に与える影響が重要だが、導入支援政策による学習効果では2030年までに正味の社会的便益を生み出す可能性は少ない

 太陽光発電に系統電源との真の競争力を持たせるためには、「発電モジュール」だけでなく、太陽光発電追加にともなう系統全体の限界コストを大幅に引き下げるような技術革新が同時に必要と考えられる。

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タグ : 太陽光発電 ドイツ 再生可能エネルギー 

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